2015年 09月 04日
ギター好きの皆さん、こんにちは。Kamakura Guitar の J minor(ジェー・マイナー)です。 ブログ村のアコギ・カテゴリーに参加しています。現在の順位はこんな感じ です。 横浜のランドマークタワーに行ったとき、突如ピカチューが集団で現れた。 これだけのピカチューが一糸乱れぬ行進をしている姿は、ちょっとシュールでした・・・。 さて、今回も昔話でお茶を濁したいと思います。 よろしかったら続きをどうぞ。 前回お伝えしたとおり、1988年(31歳)の夏、私はどかっと音楽関連のものを「大人買い」した。 更に EOS YS200 内蔵シーケンサーには大きな問題点があり、この 2ヶ月後にカワイのシーケンサー Q-80 を 54,000円で追加購入している。 大きな問題点とは何かというと、シーケンサーのデータを入れておくメモリカードがこの当時 1枚 7,500円した。 で、1枚に収録できる曲数はわずか 4曲ほどだった。 少な! 仮に月に4曲のペースで作るとすると、1年で 7,500円×12=9万円にもなってしまう計算だった。 これじゃシーケンサーを買った方がずっと安い・・・ってことで、カワイのシーケンサー Q-80 を購入したというわけです。 ご覧のように Q-80 の方はデータの保存先として安価なフロッピー・ディスクが使えたのだ。 そして前回は、それらの機材を駆使して作った曲として、井上陽水の「氷の世界」と「ロンドン急行」をお届けしました。 さて、問題は 2曲目の「ロンドン急行」の方。 私がこの当時使っていた MTR(マルチ・トラック・レコーダー)は TASCAM PORTA TWO でトラック数はわずか 4つだ。 だのにその曲、 ボーカルで 1トラック 左右のコーラスで 2トラック 左右のギター 2トラック と、これだけでもう 5トラック行ってることになる。 で、更にシンセやリズムマシンの音があるんだよ。いったいどうやって録音すりゃあいいのさ・・・。 トラックA トラックB トラックC トラックD まあ当時どうやっていたかは正確には分からないが、例えばトラックAに左ギターの音を録りつつ、左コーラスの音も録ります。 そしてトラックBに右ギターの音を録りつつ、右コーラスの音も録ります。 で、最後にトラックCにボーカルを録ります。 トラックA → 左ギター&左コーラス トラックB → 右ギター&右コーラス トラックC → ボーカル トラックD → (MIDI 同期信号) → シーケンサー → シンセなど 問題はトラックDだが、ここには MIDI 同期信号を入れておきます。「ピ~!ガラガラ!」みたいな音ですね。 その音で シーケンサーを同期させ、シーケンサーがシンセやリズムマシンの音を演奏するというわけ。 だから MTR に録音されるのはボーカルやアコギなどのアナログ音声だけで、じつはシンセなどのデジタル音は一切 MTR に録音されないのです。 で、ミックスダウン時にアコギなどのアナログ音声とシンセなどのデジタル音がミックスされてカセット・テープなどに落とされるというわけです。 だからトラックが 4つしかなくても何とかなるんですよね。 とはいえトラックDは常に MIDI 同期信号で使われてしまうってことは、アナログの音は 3トラック分しか録れないことになる。 もしここにハモリの音を加えるとしたら、どうしたらいいのか・・・。 その場合、ピンポンという方法を使います。 まずトラックAにボーカルを録り、トラックBにハモリの音を録ります。 トラックA → ボーカル トラックB → ハモリの音 で、この 2つの音をトラックCに移すんです。これをピンポンと言います。 トラックA → 空 トラックB → 空 トラックC → ボーカル + ハモリの音 ここで更にこれにアナログのベースの音も加えたくなったらどうするのか・・・。 その場合、トラックBにそのベースの音を入れます。 トラックA → 空 トラックB → ベースの音 トラックC → ボーカル + ハモリの音 そしてトラックBとトラックCの音をトラックAに移すんです。 トラックA → ボーカル +ハモリの音 + ベース音 トラックB → 空 トラックC → 空 で最後に、開いているトラックBに左ギターの音を録りつつ、左コーラスの音を録り、トラックCに右ギターの音を録りつつ右コーラスの音も録る・・・というわけ。 今や Audacity などを使えば何トラックでも使えるのに、アナログの時代はすごく苦労してたのですよ~。 でもビートルズが、あの歴史的名アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を作ったときにも、最初は 4トラック MTR でこのようにピンポンして作っていたと聞きます。 みんな苦労してたのだ。 そしてこの苦労を楽しんでいたのも事実ですねえ・・・。 ここに 1本のカセット・テープがあります。 1988~1989 と書いてありますが、ちょうど私が 31歳から 32歳にかけてということになります。 収録されているのはわずか 6曲だけ。 しかしこの 6曲はすべてオリジナル曲です。 何しろ 30代前半は、大学生以来の「第二次黄金期」ですからね(笑)。 今回はこの中から、「銀河」という曲をお届けします。 「シルクロード」の惨敗後、2週間ほどしてから作ったオリジナルの短いインストロメンタル曲です。 どおってことのない曲ではありますが、シンプルで嫌いじゃないです。デジタル音だけじゃなく、意地でも生ギターも使っているし・・・。 ちなみに動画は NHKクリエイティブライブラリー のフリー素材を使っています。 え? J minor らしくない? 分かりました。それでは次回は、まさに MTR のための奇作・怪作「観念」をお届けしましょう・・・。 それでは、また・・・。 ↓ ギターに興味のある方、このブログを気に入っていただけた方は、こちらをクリックしていただけると、嬉しいです。 にほんブログ村
by J_minor
| 2015-09-04 16:49
| オリジナル曲
|
Comments(14)
J-minorさん こんばんは!
動画の映像とドンぴしゃというか、壮大な宇宙が目に浮かびますよ~ 後からちょっとベランダにでも出て、夜空眺めてみようかな? こういう曲を作曲できるって、スゴイです♪ こんな世界観も好きですよ~ ピンポン... 機材には疎い方ですが、聴いたことあります! たぶん、知人が同様なことやっていたのかなあ?
0
J-minorさん、こんばんは!
おおすげぇ!に続く言葉が見つかりません(≧∇≦)b よくぞこれだけのクオリティーが出せたと感心してしまいました。 とにかく音がきれいに撮れています! 全体のバランスもバッチリ、エフェクトも良い感じです。 もっと線を追及していって欲しかったなぁ。
Commented
by
J_minor at 2015-09-05 08:38
かもさん、こんにちは。
> 動画の映像とドンぴしゃというか、壮大な宇宙が目に浮かびますよ~ ありがとうございます! ちなみに動画は NHKクリエイティブライブラリー のフリー素材を使っています。 > こういう曲を作曲できるって、スゴイです♪ > こんな世界観も好きですよ~ 今までの作品とは作風がまるで違うだけに、こんな風におっしゃっていただけると嬉しい限りです。 > ピンポン... 機材には疎い方ですが、聴いたことあります! > たぶん、知人が同様なことやっていたのかなあ? そう。昔 MTR を使っていた人はみんなやっていますよ、きっと(笑)。 ピンポンを繰り返すことを「ピンポンの嵐」と呼んでいました。
Commented
by
J_minor at 2015-09-05 08:39
mssumasumさん、こんにちは。
> おおすげぇ!に続く言葉が見つかりません(≧∇≦)b > よくぞこれだけのクオリティーが出せたと感心してしまいました。 mssumasumさんにこんな風におっしゃっていただけると嬉しいなあ! > とにかく音がきれいに撮れています! > 全体のバランスもバッチリ、エフェクトも良い感じです。 ありがとうございます! 小品だけに、こういう細かいところをほめられると、素直に嬉しいです。 > もっと線を追及していって欲しかったなぁ。 この路線ってことですか? う~ん、あとはあまりないなあ(笑)。
おぉ。。。
同期信号って、ひとつのトラックに「音(たぶんモデム音)」として記録しておくんですね。。 しらなかった。。。 「お、喜多郎の次は宗次郎の曲かな?」と思ったら、オリジナルだったんですね。 インスト曲なんて、ちょっとできる気がしませんよ(笑) またそれをしっかり残してらっしゃるのもエラい。 AXIAのテープ、このパッケージ、使ってたような気がしますww
Commented
by
J_minor at 2015-09-05 18:36
UMEさん、こんにちは。
> 同期信号って、ひとつのトラックに「音(たぶんモデム音)」として記録しておくんですね。。 そうなんですよ。大昔パソコンのデータをカセットテープに入れたときの音と同じです。 > 「お、喜多郎の次は宗次郎の曲かな?」と思ったら、オリジナルだったんですね。 宗次郎さんも懐かしいですね。思わず今 YouTube で聴いちゃいました。 > インスト曲なんて、ちょっとできる気がしませんよ(笑) > またそれをしっかり残してらっしゃるのもエラい。 何でこの曲を思いついたのか、もう覚えていません(笑)。 なんか SF かなんかの影響かなあ・・・。 > AXIAのテープ、このパッケージ、使ってたような気がしますww 懐かしいですよね。私は結構使いましたよ。
Commented
by
Kimi Mac
at 2015-09-05 23:14
x
J-minorさんこんばんは!
うむむむ!レベル高いなぁ。 このままプラネタリュウムのBGMに使えるんじゃないっすか? そうなると、南澤先生のライバル・・・・。うむむむ!おそるべし! ちなみに、録音の知識とか皆無の私はピンポンとかぜ~んぜん知りませんでした。 勉強になりますm( _ _ )m
Commented
by
J_minor at 2015-09-06 08:10
Kimi Macさん、こんにちは。
> うむむむ!レベル高いなぁ。 ありがとうございます!この手の作品を誉められると、嬉しいです。 > このままプラネタリュウムのBGMに使えるんじゃないっすか? > そうなると、南澤先生のライバル・・・・。うむむむ!おそるべし! そういえば南澤先生ってそういう仕事もしてましたね。 でもこっちはこの短いの、1曲だけだしなあ。仕事、奪えないなあ(笑)。 > ちなみに、録音の知識とか皆無の私はピンポンとかぜ~んぜん知りませんでした。 > 勉強になりますm( _ _ )m ただ、古い知識です。今やピンポンなんて全然必要ないし。 今やパソコンさえあれば、当時10万した MTR がタダで手に入るんですからねえ。すごい時代ですよね・・・。
Commented
by
J_minor at 2015-09-06 16:17
おさかな大将さん、こんにちは。
> ピカチュウの行列、動画ではよく見るんですが、実物見たいなあ。 > 単独行動しか遭遇したことないです。^^ あれ?ピカチュウの行列に興味がおありですか? 私も初遭遇でしたが、静止画と動画、共に撮りましたよ > 曲はだんだんレベルが上がっていくんですね。楽しみです。 ありがとうございます。 でも逆に今後、落ちるかもしれません(笑)。
Commented
by
J_minor at 2015-09-07 17:46
敏さん、こんにちは。
> 曲の仕上がりが素晴らしい。 > 素人とは思えません。 ありがとうございます! きっと31歳の私も喜んでいることだと思います。 > 曲と映像がかさなると、また違う感じになるんですね。 そうですね。NHKクリエイティブライブラリーの素材は少し映像が小さいのが多いのですが、それでもフリーなのが嬉しいです。 > 次も、もちろん楽しみにしていますからね。 ありがとうございます!
Commented
by
コン太郎
at 2015-09-09 20:37
x
ピカチューネタかなと思ったです^^
街中でおなじ格好の集団を見かけると印象に残りますよね~、この黄色の集団は見ごたえがありますね! 「銀河」 みなさん書いていますが、僕も好きなアレンジ系統の曲ですよ!! 自然の雄大な感じの曲、作ってみたいものです♪
Commented
by
J_minor at 2015-09-09 21:01
コン太郎さん、こんにちは。
> 街中でおなじ格好の集団を見かけると印象に残りますよね~、この黄色の集団は見ごたえがありますね! ですね。かなりインパクトがあります(笑)。 じつは私は一緒にいたスタッフのおねえさんに目が行っていたのですが(笑)。 > 「銀河」 > みなさん書いていますが、僕も好きなアレンジ系統の曲ですよ!! > 自然の雄大な感じの曲、作ってみたいものです♪ ありがとうございます! この30代前半のときには、何故か随分作曲しているんです。 まあ最後のきらめきかな?(爆) |
アバウト
カレンダー
カテゴリ
全体 ギター購入記 その他・閑話 今昔物語 ギター&音楽グッズ 音楽ソフトなど ソロギター 奏法上の問題点 フォーク・弾き語り 奇作・怪作・爆笑ネタ ギター・エッセイ オリジナル曲 ギター本体 ギター教室 未分類 タグ
ソロギター(113)
YouTube UP(75) ギター購入記(72) その他・閑話(44) フォーク・弾き語り(40) ギター&音楽グッズ(38) 今昔物語(27) SWITCH SCOM-1C A-VH(24) Water Road Arte Cutaway(23) 奏法上の問題点(19) Lowden S-25J(13) ギター・エッセイ(13) オリジナル曲(12) ギター教室(6) K.Yairi GF-7(6) お気に入りブログ
お薦めブログ&サイト
最新のコメント
以前の記事
2022年 11月 2022年 10月 2022年 08月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 最新のトラックバック
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||