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2018年 06月 29日

Water Road Arte Cutaway 詳細記 その3

ギター好きの皆さん、こんにちは。Kamakura Guitar の J minor(ジェー・マイナー)です。
ブログ村のアコギ・カテゴリーに参加しています。現在の順位はこんな感じ です。

Water Road Arte Cutaway 詳細記 その3_f0281844_08141039.jpg

そうそう。書き忘れていましたが、梅雨に入る前にご覧の立派な除湿機を買いリビングに配置しました。
何たって理想の湿度は 50%±5% ってことなんでね。

Water Road Arte Cutaway を置いてある場所にはエアコンも除湿機もあるというのに、私の仕事場には扇風機しかないのだから、人間の方がつらい思いをしているのです(笑)。

さて今回は、私の所有している Water Road Arte Cutaway の詳細記の 3回目です。
まったりと行きたいと思います。よろしかったら、続きをどうぞ。




Water Road Arte Cutaway 詳細記 その3_f0281844_08140938.jpg

今回はまずはトップから見ていきましょうか。
トップの材質はとても大事で、多くのルシアーさんが「音の 8~9割はトップで決まる」とおっしゃっています。

Martin の場合定番の D-28 にしても定価で 132万円する D-45にしても、レギュラーモデルはシトカ・スプルースが使われていますが、Water Road Arte Cutaway に使われているのはジャーマン・スプルースです。

ジャーマン・スプルース・・・直訳すればドイツ松ってことで、ヨーロッパ中央アルプスやドイツに多いらしい。
ただ最近では良質のジャーマン・スプルースを大量に手にするのは難しいらしく、Martin社のレギュラーモデルに使われないのもそのせいかもしれない。

ということもあり、大量生産する必要のない個人ルシアーさんが好んで使う高級トーンウッドとして知られている。

実際増田さんによると、倍音の出方や振動率がフィンガーピッキングに一番合っているということで、増田さんの作るギターはそのほとんどがジャーマン・スプルースらしいです。

Water Road Arte Cutaway 詳細記 その3_f0281844_08140992.jpg

ちなみにこのジャーマン・スプルース、よく見ると傷のようなものがありますが、これは傷ではありません。
熊が爪で引っ掻いた跡の様に見えるところからその名がついたベアクローと呼ばれるものです。

ベアクロー = 音がいい・・・とは単純には言えないようですが、希少な材であることは間違いないようです。

Water Road Arte Cutaway 詳細記 その3_f0281844_08141059.jpg

さて、問題の(?)サイド&バックに使われている材はハワイアンコアです。
サイド&バックに使われるトーンウッドといえば、ローズウッド系やマホガニーが圧倒的に有名ですものね。

ハワイアンコアはハワイ諸島でのみ採れるマメ科アカシア属の木材で、古くからウクレレをはじめ楽器用の木材として使われているものです。
Water Road Arte Cutaway に使われているハワイアンコアは薄っすらとトラ杢が入っていて、美しいですねえ!

ハワイアンコアそのものはそれほど入手困難な材ってことではないようですが、このような見た目が美しい材ってことになると、なかなか希少なものらしいです。
だから今現在増田氏に同じ仕様のギターを作ってもらおうとすると百万近くかかるらしいですよ。

さて、ハワイアンコアの音ってどんなものなのか・・・。
ネットで探ってみると、粒立ちがよく明るいサウンド、柔らかいサウンド、メイプルとローズウッドの中間的なサウンド、キラキラ感を持った音色、明るく軽快な音・・・などという単語が多いですね。

特に私が気に入ったのが ギターを3XX本買ったアホウのお薦めギターと音楽 さんのこの文章・・・。

コアの初体験は友人のウクレレだった。その時点ではコアという材があることすら知らず、飴色に輝く美味しそうなウクレレがあったので触らせてもらったら、ほとんど一撃で甘い音に魅了されてしまった。
コアの特性は、他の材で言えばメイプルに近いが、メイプルより甘く艶やかな響きが中高域に乗っているのが際立った特徴と言える。
それは、ちょっと頭の芯がぼ~っとするような、恍惚感を覚える音色。

一度コアの音に魅了されてしまうと、仮にローズやマホガニー等のギターを普段弾いていたとしても、時々コアの音を聴かないと落ち着かないというか、渇望感を覚えてしまうような強い中毒性を持っている。

それほど魔力的な音色なので、ギター好きの方には一度お試し頂きたいとも言えるし、余計なものに手を出すハメになるから、触らぬ神に祟りなしとも言える。

頭の芯がぼ~っとするような、恍惚感を覚える音色・・・何とそそられる文章でしょうか!
こんなの読んだら、絶対にほしくなりますよね!

Water Road Arte Cutaway 詳細記 その3_f0281844_08141000.jpg

またサイドのこの感じに魅せられます!
美しいですよね。

ただ、正直個人的にはまだ私にはハワイアンコアの音が分かり切っていません。
本当に「メイプルより甘く艶やかな響きが中高域に乗っている」のか、現時点の私には判別できないのです。
そもそもメイプルのギターを知らんしなあ(爆)。

早く「コアの音を聴かないと落ち着かない」という身分(?)になりたいと思っています・・・。

(つづく)

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by J_minor | 2018-06-29 08:22 | ギター本体 | Comments(10)
Commented by 丸に橘 at 2018-06-30 10:05 x
コアなんですね。
私も未経験ですので、何とも。。。
でも、森山さんも持っているぐらいですから、やはり素敵な音なんだろうと思います。森山さんは、Martin D-45のコアでしたね。ただのコアではなくて、表板もコア。
Jminorさんのコアとの対決も面白そうです。
Commented by sasunsasun at 2018-06-30 10:35
J-minorさん
こんにちは!
J-minorさんのお気持ちが乗った文章に
とてもギター愛の熱量を感じてワクワクしています。
私はというとすっかり枯れていく一方なもので(^-^;

加湿器、除湿器 ルシアーものに手を出し始めると
部屋の湿度はとても気になりますよね
特にTOP板を薄めに作っている場合は気になります。
湿度が高い時期よりも乾燥時期の方が気になるかも・・

ともあれ、ジャーマンのベアクロー ハワイアンコアの組み合わせ
とても素敵だなぁと思って拝見しております!

ただ、音の違いを感じるには同じ作成者さんが
同じモデルを同じブレーシングで材違いをつくるなら
あぁ確かに違いがあるなぁと感じられるかもしれません。

マーチンのギターなんかがその点、音の違いがよくわかるのが
いい例かもしれませんね。

個々のルシアーさんが作る場合はJ-minorさんが書かれているように
TOP板でおおかたの音が決まるような気がしてますがどうでしょう。
後はその人の音作りの考え方かもしれませんし。

例えば、メイプルなんかは硬質でパーカッシブな音で
サスティーンも短く・・云々と書いてあることをよく見かけるような??

ちなみに私の所にあるメイプルのギターは各音の分離は明確ですが
甘くてサスティーンの長い音がでている?気がするんですがどうでしょう^^
(J-minorさんがご存知のかの音です)

あ、すみません何て長いコメント(汗)
Commented by at 2018-06-30 11:05 x
Jminorさん
皆さん、高級ギターを購入すると
除湿器とかを買うんですようね。
私も買いました。
年月と共に使わなくなりました。
ギターを買った時の情熱は何処へ~

ジャーマン・スプルースか~
ジャーマン・スープレックスは知っていたが
m(__)m。
Commented by J_minor at 2018-06-30 19:23
丸に橘さん、こんにちは。

> コアなんですね。
> 私も未経験ですので、何とも。。。

そうなんですよね。私も去年あたりまでは自分が買うギターとは、思ってもいませんでした。

> でも、森山さんも持っているぐらいですから、やはり素敵な音なんだろうと思います。森山さんは、Martin D-45のコアでしたね。ただのコアではなくて、表板もコア。

そうかあ!全部コアなんですね。時々見かけますよね。
私はそこまでは踏み込めないかも(笑)。
Commented by J_minor at 2018-06-30 19:24
おやじさん、こんにちは。

> 私はというとすっかり枯れていく一方なもので(^-^;

よくおっしゃいますよ。いつもおやじさんの演奏には影響されてます。

> 加湿器、除湿器 ルシアーものに手を出し始めると
> 部屋の湿度はとても気になりますよね

そうですねえ。今まで私は全く気にしませんでしたからね。

> ともあれ、ジャーマンのベアクロー ハワイアンコアの組み合わせ
> とても素敵だなぁと思って拝見しております!

いやあ、もう少しお待ちください。
多分今現在の音は、かなりひどいかも・・・。

> 個々のルシアーさんが作る場合はJ-minorさんが書かれているように
> TOP板でおおかたの音が決まるような気がしてますがどうでしょう。
> 後はその人の音作りの考え方かもしれませんし。

どうなんでしょう。
これを知るのは、同じルシアーさんのギターを2本持っていて、更に他のルシアーさんのギターも持っているのが一番いいのかな?
私には出来んけれども(笑)。

> あ、すみません何て長いコメント(汗)

いえいや。長いコメント、大歓迎です♪
Commented by J_minor at 2018-06-30 19:26
敏さん、こんにちは。

> 皆さん、高級ギターを購入すると
> 除湿器とかを買うんですようね。

そうなんですよね~。どうしても気にしてしまいます。

> 私も買いました。
> 年月と共に使わなくなりました。
> ギターを買った時の情熱は何処へ~

あらま、そうでしたか!
でもそちらはこちらほど湿度が高くないのではないのでしょうか。
こっちはかなりひどいですよ。

> ジャーマン・スプルースか~
> ジャーマン・スープレックスは知っていたが

ジャーマン・スープレックス=レスリング出身のカール・ゴッチがプロレスに取り入れたことが始まり・・・とされるそうですね。
ああ、昭和のプロレスが懐かしい・・・。
Commented by こじ at 2018-07-01 13:20 x
j minor さま、こんにちは

素晴らしいコアの木目です。
きっと、画像で見るよりはるかに迫力があるのでしょうね。

ジャーマンは経験ないですがどんな感でしょうか。

除湿器までお買い上げですか。
ネタにしようと思ってたのに先越されました(笑)

しかし、除湿するとお体の方も楽ではありませんか?
Commented by J_minor at 2018-07-01 17:03
こじさん、こんにちは。

> 素晴らしいコアの木目です。
> きっと、画像で見るよりはるかに迫力があるのでしょうね。

やっぱ本物はもっといいですよ。
最初は眺めているだけで酒が飲めました(笑)。

> ジャーマンは経験ないですがどんな感でしょうか。

私もまだジャーマンとシトカの違いなどは、よく分かりません。
同じルシアーさんので2つあればね(笑)。

> 除湿器までお買い上げですか。
> ネタにしようと思ってたのに先越されました(笑)

除湿器はねえ。どうなんでしょう?
小さいながらもエアコンがある部屋なんで、いらなかったかも???
Commented by Kimi Mac at 2018-07-04 20:07 x
J-minorさんこんばんは!

いや~いい木目ですね~。これは呑めますなぁ・・・。
ハワイアンコアのギターは弾いたことないんですよね~、いいなぁ。
知り合いのメイプルのギター(シーガルというカナダのメーカー)は触ったことあるんですが、
自分のシダー/マホのと比べるとすんごい明るい音でした。
弾いてて楽しかったですよ。

そしてジャーマンスプルース!やっぱジャーマンがいいですね!
ベアークローは見た目最高ですね!よだれが出ます。

さて、先日、南澤先生と一緒に、某ギター工房を見学してまいりました。
先生はずっと以前にハカランダ材をキープしておられるようで(大人の事情でまだ作れないとのこと)
その端材で作った「ハカランダの箸!!」をプレゼントされておりました。
実はこれ、2膳目だそうで、1膳目は普通に使ってて折れちゃったそうです。
普通使うか~~~っ?おっそろしいお方だ!

そして、シトカやジャーマンの板をコンコン叩いて音を聞いてみましたが、
材によっても、同じ材でも結構音が違うことがわかりました。
ただ、それがギターになってどんな音になるかはさっぱりわかりません。
その工房のルシアーさんは、これとこれが良さそうだ。なんておっしゃってましたけどね。

その前日の晩は、南澤先生と同じコテージのホテルに泊まり、かなり長時間にわたって色々ご指導いただきました。
いいでしょ♡
Commented by J_minor at 2018-07-05 06:59
Kimi Macさん、こんにちは。

> いや~いい木目ですね~。これは呑めますなぁ・・・。

いいでしょ?呑めるでしょう(笑)。

> 知り合いのメイプルのギター(シーガルというカナダのメーカー)は触ったことあるんですが、自分のシダー/マホのと比べるとすんごい明るい音でした。

へえ。メイプルは明るいイメージなんですか。コアもやや近いかも、ですね。

> さて、先日、南澤先生と一緒に、某ギター工房を見学してまいりました。

何それ!うらやましいなああ!
南澤先生っていうと、やっぱり横山ギターかな?

> その端材で作った「ハカランダの箸!!」をプレゼントされておりました。

ハカランダの箸!
叩くといい音がしそうですなあ。

> その前日の晩は、南澤先生と同じコテージのホテルに泊まり、かなり長時間にわたって色々ご指導いただきました。
> いいでしょ?

何ですか、それは!羨まし過ぎですよ!
でも、こっちもそのうち、某ギター工房に行ったときの話しを書きますから、お楽しみに!


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