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2018年 07月 20日

フルヤギター工房探訪記

ギター好きの皆さん、こんにちは。Kamakura Guitar の J minor(ジェー・マイナー)です。
ブログ村のアコギ・カテゴリーに参加しています。現在の順位はこんな感じ です。

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7月はどうもいけません。
紫陽花のせいで強烈に忙しかった 6月とは一転して、とんでもなくヒマになってしまうため、どうしても鬱(うつ)っぽくなるのです。

そういえば作家の五木寛之さんも 60代になったとき、初老期の鬱に襲われたそうです。

彼はその初老期の鬱に立ち向かうため、「びっくりノート」を試してみることにしたという。
とにかくしゃにむにびっくりすることを見つけて、それを 1行ノートに書くようにしたのだそうだ。

60を過ぎると人間、あまり驚かなくなる。要するに心が不感症になる。これがよくないというわけです。
彼はそれで初老期の鬱に打ち勝ったという。

う~ん。「びっくりノート」かあ。何かきょうびっくりすることがあっただろうか?
びっくりするほどなかったような気がします(笑)。

さて今回は、Water Road Arte Cutaway を持ってフルヤギター工房を訪れたときのお話をしたいと思います。
こちらにはびっくりすることがありました。よろしかったら、続きをどうぞ。




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というわけで 6月某日、鎌倉は十二所(じゅうにそ)にあるフルヤギター工房に私は向かいました。

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建物はご覧のように 2階建てで、1階も 2階も共に工房になっています。
つまり古谷さんは自宅からここに通っている形です。

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「アコースティック・ギター作りの匠たち」より

何故かプッシュ式の自動ドアになっている玄関を入って声をかけると 2階から古谷さんが下りてきた。
古谷さんは「アコースティック・ギター作りの匠たち」で見たとおりの男性だった。やや武骨なイメージのね。

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「2階で拝見しますから」と言ってきて、「階段が急ですから」とギターは古谷さんが手にした。
確かに結構細くて急な階段でした。

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2階の部屋に入ったとき「ドアを閉めてください」と、ちょっときつめ(?)に言われた。
湿度管理にかなり気を配っているようで、ご覧のように大きめの除湿機が稼働していた。

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こちらが古谷さん。
こうして写真を見ると「アコースティック・ギター作りの匠たち」のイメージほどは怖くはない(笑)。

あっ。髭がないからだ!

ただ、何しろこっちは人見知りするタイプですからねえ。最初は緊張していましたよ、私。
髭がないことにも、現場では気が付かなかったかもしれない。

ま、それはともかく、「弦高を下げてもらおうと思って来たんですけれど、それよりビビリが気になってしまって」と切り出した。

まずは古谷さんがギターをこの作業台の上に取り出す。
そして「普通のチューニングですか?」と尋ねてきた。

「いえ、『花』のチューニングのときなんですけれど、1~2弦のビビリが気になるんですよね」
「ダドガド(DADGAD)でしたっけ?」
「ダドガド で G が F# ですね」

すると彼がチューニングをしてくれた。
そして少し彼が強めに 1~2弦を弾く。

すると古谷さんにもビビッているのが分かったようで、「これですか?」みたいな感じで尋ねてきた。

フルヤギター工房探訪記_f0281844_10524343.jpg

「これでは弦高を下げるどころじゃないですよね」

と私が言うと、彼がメジャーで弦高を計り出した。

それによると現在 6弦 12フレで 2.2~2.3mmぐらいだという。1弦側は更にかなり低いようなことを言っていた。
え?現在でもそれだけ低かったんだ!

これには驚いた。だって夏場は弦高が上がりやすい季節でしょ?

古谷さんが目の高さにネックを持っていってチェックする。
ネックの反りをチェックしているのだろう。

しかし問題はなさそうだった。

つまり我が Water Road Arte Cutaway、コンディション的には何の問題もないっていうわけですよ。

更に「どんなカポをお使いですか?」と質問された。カポによってはそれが原因でビビることもあるらしい。

そこで普段使っている Planet Waves を彼に手渡す。
しかし特にカポも問題ないようだった。

フルヤギター工房探訪記_f0281844_10524370.jpg

ここで私はやっとあることに気付いた。

じつは「花」の録音の前に、弦を ERNIE BALL (アーニーボール) Everlast Phosphor Bronze RIGHT に替えていたのだ。

この弦はしばしばさんが「おまけ」でつけてくれたものだったのだが、じつはライト弦のくせにカスタムライト並の太さしかない弦なのだ。
何しろ 1弦 : 11 2弦 : 15 3弦 : 22 4弦 : 30 5弦 : 42 6弦 : 52 ですからねえ。ほぼまんまカスタムライトなんですよ。

そのパッケージを古谷さんに見せると、すぐに「なるほど」と納得したようだった。

   ◎ ギターの方は 6弦 12フレで 2.2mmという元々低いセッティングになっていた( 1弦側はもっと低い)
   ◎ ライト弦よりも細いカスタムライト弦を使っていた
   ◎ 更に D A D F# A D というダウンチューニングになっていた

この 3つが重なってビビリが発生していたのだ。
分かってみればどおってことのないことだった。

それにビビるとはいっても、かなり強めにピッキングした場合の話だ。
だからあえて強く弾いているサビの部分で気になったのだ。

私が一番恐れていたのはネックコンディション的に何か問題を抱えているのではないかということだった。
そうでないことが分かって、ほっとした。

フルヤギター工房探訪記_f0281844_10524333.jpg

ということもあり、弦高調整に関しては、もちろん今回はパスすることにした。
現在でも十分低いことが分かったのだから。

え?そんなの自分で分からないのかって?
いや、40年間使っている S.Yairi YD-306 の弦高は異常に低いからねえ。どうしてもそれと比べてしまうのですよ。

一方ビビりの方は、普通のライト弦に替えれば解決できそうだ。
あと、このままアーニーボール弦を使い、1~2弦だけ普通のライト弦にするという手もあると教えられた。
クラギの場合だと 1本 1本別に買うということが結構一般的に行われているらしいんだ。

そういえば南澤さんは 1~2弦だけミディアム弦にしていたっけ。

最後に古谷さん、彼らしくもなく(?)「お役に立てなくて」とか「また何かありましたらお待ちしています」とか、仰っておりました。

いや、実際は優しい人なのだと思います。
こっちが緊張していただけでね。

ギターが片付いたあと、「何枚か撮影してもいいですか?」と尋ねたら、「どうぞ」と言ってくださった。
ほら、優しい。

というわけで、次回は工房内の写真を何枚かお届けしたいと思います。
不思議なものもありますよ。

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by J_minor | 2018-07-20 10:54 | ギター本体 | Comments(12)
Commented by sasunsasun at 2018-07-21 11:22
J-minorさん
こんにちは!
ビビりの件、そうでしたか
原因がわかってホッとしました^^
古谷さん見かけと違ってすごく繊細で
優しい方ですよね、彼のギターサウンドにも
そんな気質が漂っているような気がします。
ところで、私もショートスケールのOyaさんのに
エリクサーのカスタムライト張ってますヨ
1弦だけ.012にしてるからかダウンチューニングでも
ビビることはないみたいです(^O^)
Commented by at 2018-07-21 12:56 x
Jminorさん
ビビリながら古谷さんに
会いに行ったんですね。m(__)m
でも、ビビリの原因がはっきりして
本当に良かったですね。
ギターの音のビビリは弦が原因な事が
結構~多いようですね。
この更新を読んで
しばしばさんが一番、ホットしていますね。
Commented by shibashiba64 at 2018-07-21 14:40
J_minorさん
こんにちは。

敏さんが言われるようにホッとひと安心です。
というか、ギター以上に自分がビビっていました。

古谷さんの工房近くていいですねー、
自分のソロコンソルトも
古谷さんに直接点検してもらいたいものです。
Commented by J_minor at 2018-07-21 17:43
おやじさん、こんにちは。

> ビビりの件、そうでしたか
> 原因がわかってホッとしました^^

そうなんです。とりあえず一件落着です。
でも続編もあるのです(笑)。

> 古谷さん見かけと違ってすごく繊細で
> 優しい方ですよね、

そうそう。見かけのイメージと実際はかなり違いますね(笑)。

> ところで、私もショートスケールのOyaさんのに
> エリクサーのカスタムライト張ってますヨ
> 1弦だけ.012にしてるからかダウンチューニングでも
> ビビることはないみたいです(^O^)

そうですか。それは精度が高いんじゃないのかなあ。
素晴らしいギターだと思います。
Commented by J_minor at 2018-07-21 17:44
敏さん、こんにちは。

> ビビリながら古谷さんに
> 会いに行ったんですね。m(__)m

そうなんですよ。「あの写真で見た怖いおじさん」に会いに行ったんです(笑)。

> ギターの音のビビリは弦が原因な事が
> 結構~多いようですね。

そうなのかもしれませんね。

> この更新を読んで
> しばしばさんが一番、ホットしていますね。

そうかあ。ビビらせちゃったかな???
Commented by J_minor at 2018-07-21 17:44
しばしばさん、こんにちは。

> 敏さんが言われるようにホッとひと安心です。
> というか、ギター以上に自分がビビっていました。

やっぱりビビらせてしまいましたか(笑)。
もっとも続編もありますよ。またビビってください(笑)。

> 古谷さんの工房近くていいですねー、
> 自分のソロコンソルトも
> 古谷さんに直接点検してもらいたいものです。

行くときには声をかけてください。
付き合いますよ~。
Commented by セバスチャン at 2018-07-22 15:08 x
こんにちは

原因が分かって良かったですね。
ホッと一安心でしょう。
弦が原(げん)因なんて、シャレにもなりませんね(^_^;)
私の、愛機(HAYASEギター)を買った時にお店のマスターが弦は012からのライトゲージを張るようにと言われたのですが、そんな要因もあったのでしょうね。
で、夏場は弦高が上がるのですか?
知りませんでした。お勉強しました〜。
Commented by J_minor at 2018-07-22 18:21
セバスチャンさん、こんにちは。

> 原因が分かって良かったですね。
> ホッと一安心でしょう。

そうですね。「まずは」一安心でした。

> 弦が原(げん)因なんて、シャレにもなりませんね(^_^;)

やられましたな(笑)。

> 私の、愛機(HAYASEギター)を買った時にお店のマスターが弦は012からのライトゲージを張るようにと言われたのですが、そんな要因もあったのでしょうね。

そうかもしれませんね。

> で、夏場は弦高が上がるのですか?
> 知りませんでした。お勉強しました

一般的には夏場に上がって冬場に下がると言われていますね。
そんなに自分ではっきりと分かったことはないんですけれどね。
Commented by こじ at 2018-07-22 19:59 x
j minor さま、こんにちは。

そうでしたか・・
大事に至らなくて良かったです。

また、とてもお優しい方ということで、次も頼みやすくなりましたね。

なんだかこちらも勝手に親近感湧いたりして「フルヤギター」弾いてみたくなりました。
Commented by J_minor at 2018-07-22 21:13
こじさん、こんにちは。

> そうでしたか・・
> 大事に至らなくて良かったです。

まあとりあえずはよかったです。
ただ、続編もあったりはするのですが(笑)。

> また、とてもお優しい方ということで、次も頼みやすくなりましたね。

これは確実にいえますね♪

> なんだかこちらも勝手に親近感湧いたりして「フルヤギター」弾いてみたくなりました。

いいギターだと思いますよ。最近ますます評価も高いみたいです。
Commented by Kimi Mac at 2018-07-25 10:58 x
J-minorさんこんにちは。
一つちょっとだけびっくりしでいただきましょうか。

先日、南澤先生と横山ギター工房に行った時、
発注してしまいました。
ジャーマンスプルースにカマティロです。
Commented by J_minor at 2018-07-27 20:37
Kimi Macさん、こんにちは。ちょっと家を開けてしました。

> J-minorさんこんにちは。
> 一つちょっとだけびっくりしでいただきましょうか。

ふむふむ。何ですか?

> 先日、南澤先生と横山ギター工房に行った時、
> 発注してしまいました。
> ジャーマンスプルースにカマティロです。

何と!横山ギター発注ですか!
驚いたなあ。
そのうち音を聞かせてくださいね!


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